株式会社Grrow主催の「ベトナムオフシェア開発は怖くない」セミナーに参加させていただきました。
まずは、株式会社Grrowの三上健太郎氏より、ベトナムの概況やベトナムオフショアの重要な7つのポイント、そして失敗事例をお話しいただきました。続いて、ベトナムに開発拠点をお持ちのインディビジュアルシステムズ株式会社の榎本諒平氏による質疑応答があり、参加者からのさまざまな質問にご対応いただきました。参加者の中には、ベトナムの方で、実際にブリッジSEとして活躍されておいでの方もおいででした。
三上氏のお話の中で、ベトナムは日本と共通点が多く、30年前の高度成長期の日本と類似しているとのお話がありました。2016年のベトナムの人口構成と1976年の日本の人口構成の図を提示いただきましたが、確かにとても近い構成でした。その後ベトナムオフシュアの課題も失敗事例を交えて、お話しくださいました。私は、中国やシンガポール、マレーシア、タイへは何度か行っているのですが、ベトナムは一度も行けておりません。ベトナムに行かれた方に伺うと、また行きたいという方が多いです。ところが、三上氏の課題を伺っていると、「転職が多い」、「スキルアップと報酬に貪欲」、「あうんの呼吸が通じない」、「ハノイとホーチミンで大きく違う(中国も北京と上海などの南部では大きく違います)など、ほとんどが中国と共通しているなあと感じました。しかし、ベトナムは良いよという方が多いので、終了後に三上氏と榎本氏に改めて、どこが違うのかをおたずねしてみました。両氏とも類似点は確かに多いが、ベトナムは今から伸びていく地域であること、そしてなんといっても親日であることが大きいとお話をしてくださいました。感情面での違いがオフショアを実施する上で、大きな利点になることをお二人とも強調されておいででした。
三上氏が挙げられたベトナムオフショア開発で重要な7つのポイントは、以下の通りです。セミナーではそれぞれの意味についてお話をいただきましたが、株式会社Grrow様のノウハウだと思いますので、ここへは記述しません。お知りになられたい方は、株式会社Grrow様にお問い合わせをお願いします。
三上氏からは、オフシェアで起こりがちな問題として、納期遅れ、低品質、仕様違いを挙げられており、さらにそれらが起こる原因として、商習慣の違い、コミュニケーション不足、マネジメント不足を上げておいででした。私も執筆に参加しております「プログラム&プロジェクトマネジメント(P2M)」でもこの点は重要視しております。プロジェクトマネジメントは当然ですが、第6部の人材能力基盤において、リーダーシップ、コミュニケーション能力とコミュニティの創造、多文化対応について述べています。特に、高コンテクスト文化と高コンテクスト文化のコミュニケーションは、お互いのコンテクストが異なるにも関わらず、高コンテクストコミュニケーションなので、明確な言葉にしないので、難しくなります。多文化対応力を磨くためのポイントとして、P2Mでは、以下を挙げています。三上氏のお話しと共通する部分も多いです。
◇P2Mにおける多文化対応力を磨くためのポイント(改訂第3版P2M標準ガイドブック)
① 多様な文化を学ぶ
② 相互の違いを受容し、関係性を築く
③ 共通のルールで多文化と接する
④ 低コンテクスト型の手法を活用する
⑤ 自分化の特徴を理解する
▼改訂3版 P2Mガイドブック
今回は、説明だけでなく、質疑にかなり深いところまでお答えいただき、ノウハウをご提供いただける素晴らしいセミナーでした。今後もベトナムの方を招いてのセミナーなども開催されるとのことですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
■関連リンク
▼株式会社Grrowのwebページ
https://grrow.jp/
▼インディビジュアルシステムズ株式会社のwebページ
https://indivisys.jp/
▼会場は、コガソフトウェア株式会社で実施されました
https://www.kogasoftware.com/
▼プログラム&プロジェクトマネジメント(P2M)の紹介(日本プロジェクトマネジメント協会)
http://www.pmaj.or.jp/index.html
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