今回で第14回目になります九州大学の「地域政策デザインスクール」最終発表会に参加させていただきました。久しぶりに対面集合での発表会になり、福岡市の渡辺通りにある電機ビル共創館みらいホールでの開催でした。
今回は、福岡県柳川市、太宰府市、佐賀県嬉野市、長崎県平戸市、熊本県菊池市の地域課題に5チーム(7名程度)で取り組んでくださいました。最終発表会には市長や副市長もご参加いただき、5名のコメンテーターからの質疑に加えて、市長や副市長からのコメントをいただきました。さらに各自治体からは、コーディネータ役をご担当いただいた皆さんもご参加でした。
ここ数年続いておりますように各自治体からテーマをいただいて、その課題解決の政策に取り組む形です。各自治体のテーマと各チームのソリューションは、以下のようなものです。
<各自治体のテーマと課題、各チームのソリューション>
福岡県柳川市
【テーマ】人口減少で失われた消費を国内外の「観光消費」でカバーしたいが、オーバーツーリズムも発生している。
【ソリューション】柳川ウェディングプロジェクト:柳川の伝統である花嫁船、川下り婚を起点に地域観光地域づくり法人(DMO)を核にした地域の事業者、神社・寺院・チャペル、式場を活用して、海外(まずは東アジア)のウェディングニーズを取り込む。
福岡県太宰府市
【テーマ】持続可能な都市構造を形成するための五条駅周辺地域の市街地活性化と交通渋滞緩和に向けた交通政策
【ソリューション】地域コミュニティバス(まほろば号)の活性化を住民とともに形成するために「まほろばの駅(各バス停を駅にする)」整備と「駅長制度」(住民にバス停の駅長になってもらう)を導入する。
佐賀県嬉野市
【テーマ】地域資源を総動員したチャレンジで「稼ぐ力」を向上
【ソリューション】肥前吉田焼の窯元が、自律的に稼げる状態になり、10年後も存続しているために窯元の事業運営のサポート体制として、ビジネスサポーター、伴奏デスク制度を導入する。
長崎県平戸市
【テーマ】高付加価値化の観光施策で宿泊率と宿泊客単価向上の取り組みを推進。アルベルゴ・ディフィーゾタウン(ADT)計画の推進。
【ソリューション】「おもてなし隊の結成」、「平戸おもてなしガイドライン」の作成、クリエイターinレジデンスの構築を推進することで、平戸アルベルゴ・ディフィーゾタウンを通じた城下町エリアの魅力向上を実現する。
熊本県菊池市
【テーマ】「自然」、「人」、「テクノロジー」の共存による持続可能な地方都市へ
【ソリューション】「掬び社」を設立して、菊池市ウォーターオフセット事業(耕作地での涵養促進、涵養商品の販売、森林での涵養促進)を実現する。
・ 発表者の皆さんは、自治体の皆さんからのご要望にお応えになり、重要な課題に対して、論理的なご提言をいただきました。長年にわたって、自治体の皆さんが取り組んでおいでの課題ですので、なかなか解決は難しいテーマだと思います。そんな中、6か月という期間で、これだけの成果を出されたのはとても素晴らしいと感じました。
・ また、発表者の皆さんはご自身のお仕事をお持ちですが、今回の社会テーマに自らが取り組んでいこうという姿勢がうかがえて、熱意を感じられる発表でした。ぜひとも実践に向けて、自治体の皆さんと協力して、継続的に取り組んでいただきたいです。
▼九州大学地域政策デザインスクールの案内ページ
▼2023年度政策研究発表会
▼発表会の写真
▼講座の修了書の授与
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