「いのち輝く未来社会のデザイン」実現に向けてのオブザベーション ~占い師体験

 大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するにはどのようなことが必要なのでしょうか。

 万博修了時に提示された大阪・関西万博宣言(2025年10月13日)では、以下のようなことが述べられています。以下は、私が抜粋したものですので、あくまで参考です。ぜひ全文をご覧ください。(出典:「大阪・関西万博宣言」、https://www.expo2025.or.jp/news/news-20251013-01/) 

『大阪・関西万博宣言 2025年10月13日』 ~抜粋

■実現したこと

・大屋根リングに体現される「多様でありながら、ひとつ」とのメッセージを世界に発信

・パビリオンでは、「いのち輝く未来社会のデザイン」という問いに対するそれぞれの解釈を示した。

・遊びやアートなどを駆使しながら子どもや若者たちが未来を選択していくにあたっての学びの機会を提供

・郷土文化を踏まえつつ前衛的なものもあった踊りや音楽、食など五感に訴える体験を広く共有

・多くのステークホルダーが、「いのち」の本質的な在り方への根源的な探究から持続可能な将来の生活の在り方まで、多くの問いについて複層的な議論を重ねた

・大阪・関西万博では、関わったすべての人々が、多様でありながらも、ひとつにつながり、対話し、共働し、それぞれの文化を共鳴させ合う中で、いのち輝く未来社会に向けたメッセージを発信

■問い

・あらゆる「いのち」の固有の輝きを解き放つ未来社会とはどうあるべきか

・この世界に脈々と受け継がれてきた貴重で多様な「いのち」を未来に残すために我々は何をすべきか

・デジタル、モビリティ、AI・ロボットといった分野における未来社会の在り方

・循環経済やライフサイエンス・ヘルスケア、ダイバーシティなどの現代的な課題への取組


  あらゆる「いのち」の固有の輝きを解き放たれた状態を創る方法の一つとして、「いのち輝く」の逆の状態である「いのちがくすむ」、「いのちが消える」、「いのちが衰える」、「いのちが輝きを失う」をニュートラルに戻すことがありそうです。もちろんそれだけでは輝く状態には不十分ではありますが。

 悩みがある人がその解消のために行えることには、悩みに正面から向かい合って解消する(対峙)、しかたないと受け入れる(受容)、直接の悩みを避ける(回避)、なぜ悩みと捉えるかを考える(理解)、体を動かしてすっきりする(転換)、悩みを相手と考える(相談)などがあります。最後の相談は周囲の力を借りて心の負担を軽減するという人間らしい解消法ですね。

 今回はこの相談の一つとして、占い師への相談にトライしてみました。プロの占い師とお話しするのは初めてでしたが、ネットで調べてみるとかなり手軽にできることがわかりました。それでは、占い師体験記をお届けいたします。

1) 前提

 相談する悩みが必要なのですが、個人的にはほぼ悩みを感じたことがないので、困りました。今回は、「どうすればいのち輝く未来社会は実現できるのか」にしました。占い師からするとこの人は何を相談に来たのかなと戸惑われるかもしれませんが、まずはこれでいくことにしました。

2) 事前調査

 帰宅時に立ち寄れる池袋で占いの館を探してみました。結構たくさんあり評判良いところも多いようです。占いもたくさんあるので、得意分野(カード、霊感、四柱推命などなど)などもあるようですが、わからないので、出たとこ勝負にしました。ランキングが出ていましたので、上から順に行くことにしました。こういうサイトがあるのはありがたいですが、本当に良いのかは相性などもあるので、何とも言えないですね。

3) 入館まで

 まずは、バランガンというところを尋ねました。たくさんの占い師がおいでで、結構大きめのところです。ビルの6階に入っているので、ビルの入り口で入りにくいということはありません。エレベーターを出るとすぐに受付があります。語学教室の受付と同じような感じです。すぐに入れますかとお尋ねしましたところ30分後になるということでした。平日の18時過ぎくらいだったのですが、混んでいるようです。結構人気なのですね。どんな占いができるのですかとお尋ねしましたら、メニューを説明してくださり、占い師さんによってどの部分に強みがあるかが違うと説明してくださいました。ここはこれまでで、またの機会にということで退出しました。(バランカン:https://www.balangan.jp/ikebukuro/)


 次に近くにあるLutinaに向かいます。こちらもビルの5階にあり、特に違和感なく伺えました。エレバーターを降りるとすぐに受付になっています。(Lutina:https://lutina.tokyo/)


4) 受付にて

 こちらはすぐに2名の方が対応可能ということで、タロット占いが得意な方と霊感中心という方2名が可能ということでした。お値段は最短が20分で、3,500円からですが、20分では足りなくて追加される相談者がほとんどということでしたので、30分、5,500円でお願いしました。この後に会議があったので、ちょうどぎりぎりのお時間でした。今回はいのち輝く未来社会の相談なので、霊感が強い方にお願いしました。名前と生年月日のみ受け付けで記載して、すぐに個室に案内されました。

5) いよいよ占い開始

 まずは、ご挨拶、時間が30分であることを確認されて、タイマーがスタートします(本当にタイマーのボタンを押します)。そしてお悩みを尋ねられましたので、「どうすればいのち輝く未来社会は実現できるのか」をお話ししましたが、かなり想定外だったようで、どうしようというお顔になりました。何も反応しないとまずいと考えられたのか。「いのち輝くの源流は、仏教ではないか、高野山とか比叡山などに源流があるのではないか。個性を生かしていくことに未来社会があるのではないか。」とお話しいただきました。確かに「あらゆる「いのち」の固有の輝きを解き放たれた状態」に関係はありそうです。この占い師の方は、仏教で修業されたとのことで、師匠の方の写真が横に立ててありました。まずは、専門分野からのお話をいただけたということかと思います。

 次に、個人のこれからを見てみましょうということで、名前と生年月日を記入しました。何か話の取り掛かりがないと先に進まないので、既存情報からできる話をして、何を話していくとよいのかの手がかり探しということではないかと推察します。

 生年月日を描いたので、暦、占いから始まり、あなたは九紫火星です。南に位置し、天運位、火、華やかな、出世していくなどのお話がありました。7月10日生まれですので、暦でそう書かれているわけで、まあそうかなと思える部分もあります。これは導入としては、大事ですね。何となくあっているという感覚がないとその先の話は頭に入りませんので、この導入は大事ですね。

 さらに芸術関係、人気運、芸能人、一方でビジネスなら経理(ここは?という感じ、私は一番不得意そうです)、気持ちが変わりやすい、リーダーシップ、プロジェクトをマネジメントしていく、組み立てていくなどの説明がありました。

 ちなみに九紫火星の有名人は、相葉雅紀(嵐)、明石家さんま、阿部寛、イチロー、大泉洋、宇多田ヒカル、上白石萌歌、冨永愛、浜辺美波などです。あんまり共通性ない気もしますね。

 プロジェクトマネジメントは一応専門分野なのですが、ここで反応するとこの部分を拡げられて、違う方向に行きかねないと感じたので、無反応で行きました。そうするともう少し既存の占い資料から糸口を探るということなのか、次は四柱推命ではというお話になり、こちらも生年月日で決まっているので、正財(穏やかで真面目にコツコツと財産を作っていく)、偏官(豪気大胆、目上に強い、型破り、変革)、月支は羊(ちなみにひつじ年生まれです)なので、これから育っていくというお話もありました。70歳でこれから育つの?と疑問もわきますが、悪い気持ちはしませんよね。

 確かに博打は得意ではないので、当たっているかもと考えてしまいますね。このあたりは、何となく誰にでも当てはまりそうなことが並べられている感もありますが、占いの基本書にのっとってお話しされると、安心して相談できそうですね。

 この時点で、タイマーが残り10分になっていました。やばいなと思いまして、本題に戻すために、現在検討中のアイディアを少しだけお話ししてみました。仏教が源流にあるというお話や、修行をされたということでしたので、悩みがある人にプレッシャーをかけ続けるとあるところで、臨界点を超えて、悟りが啓けるサービスなどはどうだろうかと提案すると、「さすがにそれは厳しい。耐えられない人も多いのでは」との反応でした。それは面白いという反応を期待しておりましたが、結構当たり前の反応でした。まあ、そんなに極端なアイディアに賛成するのは難しいですね。そこで、もちろん、人によって、その圧力の調整は行いますし、仏教の修行でも断食や座禅などの厳しい修業はありますよねと重ねてみると、「確かにそのようなことはあります。私も多くの修行はしました。」とのことでした。相手の話を否定しない対応はさすがですね。普通ではありえないようなことをこちらは話していますので、否定したくなるところですね。

 そこで、このような個人の特性に合わせた対応をAI活用でやっていくサービスはどうだろうという形でお話ししてみると、「それは可能かもしれません。とはいえ、最後はプロの方に相談できるようにすべきです。占いでも解決が難しい場合は、お師匠さんに相談することもある。」とのことでした。確かにAIだけではすべての対応は難しいので、裏に専門性の高いネットワークを構築することが大事かもしれません。それなりの権威があると安心感も出ますね。「占い師さんがどのようなところで修業したかによります。」ともお話しされました。確かに著名なお師匠さんに学んだということも安心感につながりますね。占い師には、弁護士や技術士、キャリアコンサルタントなどのような必須の視角は必要ありませんね。ただし、占術の民間資格はあるようです。とはいえ、資格があるから占ってもらうというよりも評判が良いから占ってもらうような形は一般的ですね。

 お師匠さんとのつながりの話が出たので、悩み相談のネットワークで、答えてほしい人から強制的に答えが返ってくるようなものはどうだろうかを言うお話をしましたが、「面白いですね」という反応しかありませんでした。ただし「多くの人とつながることは大事です。」というお話はいただきました。「みんなで見られる。輪がつながる。」も大事であるとのことでした。これは、大阪・関西万博のDialogue Theater「いのちのあかし」で、実験が行われました。毎日異なるテーマで、その日、初めて出会う二人が対話する。来場者全員でそれを目撃する。というものです。スクリーンの向こうに現れる対話者は世界のどこからか参加する。その時々で違うという試みでした。対話をすることで、対話者も自分に気づく、さらにそれを目撃している人たちも自分自身と対話し、答えを見つけていくというものです。私も一度ですが、参加させていただきました。私は対話の内容ではなく、何を意図しているのか、対話しているのはだれなのか(入場前の説明では、入場前に配布されたテーマを記載した紙に印がついている人の中から一人が選ばれるということでしたが、会場側の代表者は明らかにダイヤローグのプロの人でした。確かにいきなり多くの人の前で、遠隔地とのダイヤローグをできる人はほとんどいないですよね。)などが気になってしまいました。ちょっと職業病かもしれません。

(いのちのあかし:https://expo2025-inochinoakashi.com/)

 残念ながら、ここでタイマーが残り一分になったのに気づきましたので、仏師などにもヒアリングしてみますと御礼を言って帰ろうとしましたら、お師匠さんを紹介できますとおっしゃってくださったので、連絡先をお伝えするために名刺をお渡しいたしました。しかし、今のところ、連絡は来ておりません。

6) 終了後感想

 30分という短い時間では、導入部分に時間がかかって、本題の悩み相談は難しいそうです。とはいえ、本音の悩みを初対面の人にいきなり言えるのかという問題もありますので、やはり導入は重要なのだと思います。そこに様々なツールがあるほうが、多様な面からコメントできるので、占い術はレパートリーが多いほうがよさそうです。息が合いそうな方と何度か話してみると未来が開けることもあるかもしれません。キャリアコンサルタントやカウンセラー、相談窓口、メンタルクリニックの先生などとお話しするより気楽に話せてよいかもしれません。少々コストはかかりますが。

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