クラウドファンディングで申し込んでおりました金沢工業大学で作成された「The SDGsアクションカードゲームX(クロス)」のカードが5月初旬に届きました。SDGsに基づいて、SDGsを実現するための取り組みのアイディアを検討できるゲームです。
「トレードオフカード」と呼ばれるSDGsのゴールを達成しようと施策を打ったところトレードオフが発生したという事象を記載したカードです。写真のカードは「移民を受け入れていたら、国民の失業率が上がり始めた。」というもので、「ゴール10:人や国の不平等をなくそう」に対応しています。このトレードオフを解決するために様々なリソース(メンバーに3枚ずつのカードが配られます)を活用してアイディアを出し合うゲームです。
シンプルに行うビギナー版、チーム対抗型のアドバンス晩、そしてこれを組み合わせたワークショップがありますが、今回はビジネスモデル・マッピング・クラブの打ち合わせの一部で実施しましたので、ビギナー版をファシリテータが交代しながら、3回実施させていただきました。参加者6名で実施しましたので、3回でリソースカードはほぼ全部活用しました(3枚×5名×3回=45枚、リソースカードは32枚ですので、2回使用したものもあります。)
課題に対して、解決策を考える際にリソースの縛りを設ける点では、強制連想法やアナロジー法の応用で、順にアイディアを出しながら、それをつなげていくということではブレインストーミング法やブレインライティング法の要素も入っております。
最初に金沢工業大学で準備してくださっているやり方の動画を確認して、進め方を案内した上で、ゲームを行いました。短い時間でどんどんアイディアを出して、他の人のアイディアに乗っかりながら、発想を広げていけるとよいのですが、意外に難しかったです。リソースに書かれている内容を広くアイディアの要素にすることが必要となると思います。例えば、社員にある「お笑い」ですと、笑いの要素を入れるとかお笑い芸人に活躍してもらうといったダイレクトなアイディアになってしまうとなかなか広がりません。二人でやる、相互の掛け合いで何かをする、舞台があり観客がいるなど少し範囲を広げて活用しようとするのですが、それが、トレードオフカードの解決につながるのか、前の人が出したリサイクル技術とどうつながるのかなど色々考えていると、瞬発的なアイディアになりません。アドバンス版では、リソースカードを組み合わせて事前にアイディアを考えておく時間もありますが、ビギナー版はその場で思いつかないといけないので、瞬発力のある発想に慣れているメンバーでないと思考が止まってしまいそうでした。
とはいえ、SDGsの取り組みでは、今やっていることをロジックモデルで無理やりアウトプットやアウトカムに結び付けるといった形が多いので、SDGsのターゲットから新しいアイディアやビジネスを考えていくという発想が必要だと思いますので、何回かトライしてみたいと考えています。
参加した方からは、「トレードオフカードの記述に違和感があるものがある」、「リソースからの発想が難しい」といったご意見がありました。トレードオフカードについては、実際に起きているトレードオフをカードにして、やってみると現実感が出るのかもしれません。リソースからの発想については、練習も必要なので、柔軟に発想するための事前練習、発想の瞬発力を向上する練習などをこのゲームの前に入れてみるのも手かなと考えました。
「IPPONグランプリ」の「写真で一言」で、お笑い芸人の方々が発する一言は本当に「発想瞬発力」があるなと感じます。最近では、「全NIPPONパワポカラオケ選手権」という即興プレゼンテーションを競う取り組みもあるようです。「発想瞬発力」を鍛えて、SDGsのゴール達成への取り組みアイディアをたくさん出せるようになるとよいですね。
▼The SDGsアクションカードゲームX(クロス)のトレードオフカードとリソースカード
▼金沢工業大学SDGs推進センター
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