毎年伺っております九州大学産学連携セミナー「地域政策デザイナー養成講座」の取りまとめをしておいでの石丸修平先生(福岡地域戦略推進協議会 事務局長、九州大学客員准教授)が、福岡の最近の成長の秘密をまとめられた書籍を出版されました。石丸先生から書籍をいただきましたので、早速に拝読させていただきました。
書籍の構成は以下とおりです。
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序 章 なぜ福岡は注目されているのか
第1章 世界から人と企業が集まる理由
第2章 なぜ福岡で「アイデア」は生まれるのか
第3章 未来の暮らしのアイデアを現実に
第4章 「連携」で九州がよみがえる
第5章 東京を越えて世界とつながる
終 章 世界への扉は福岡に
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以前から言われていることですが、福岡市は発展が続いております。自然増と社会増がともに増えているのは、川崎市について第2位で、開業率は7.5%で21大都市の中でも第1位です。私は、1979年から1989年まで、福岡市で建設系のコンサルタントをしておりました。福岡市の交通計画なども担当しておりました。当時は、地下鉄や都市高速道路などもなく、バス中心の公共交通網で、交通渋滞も頻発しておりました。当時計画した交通網が30年を経過して整備が進み、福岡市の発展に寄与していることを感慨深く感じます。
※自然増減=出生数―死亡数
社会増減=転入数―転出数
石丸先生は、福岡市に人と企業が集まる理由として、テクノロジーで街をハックする、民間企業のパワー、地元の「のぼせもん」などの様々な取組みを例示しておいでです。福岡市は海外に向けた開いた志向もあり、多様性があることもその要素です。
都市圏として考えるとコンパクトです。福岡都市圏は、扇状地として形成されていますが、すぐに山が迫っていますので、ほぼT字型で、T字の要の所に都市機能が集中しているコンパクトシティで、空港、鉄道、港湾がここに集まっているのです。都心から空港まで10分以内で行ける都市は福岡市だけだということもよく言われますね。福岡市の転勤者がつい居ついてしまうのも通勤時間が短いことに加えて、東京や海外へのアクセスが良いことも理由です。さらには中州というコンパクトな歓楽街の集中も理由の一つですね。
さらに福岡は、北部九州圏さらに九州全域との連携も行いやすい構造を持っており、石丸先生も第4章「連携」で九州がよみがえるで、この点に言及されておいでです。
第5章で、世界のイベベーション都市の共通項をまとめておいでですが、とても参考になるので、引用させていただきました。
▼世界のイノベーション都市の共通項
まちの成長は、産学民の連携が一つになることで起きる。実際にプロジェクトとして成果を出していくことがスピーディな変革につながる。しかし、実際には官民連携では思惑のずれが生じるので、まち全体での強固な協力体制が必要であると石丸先生は提言されておいでです。そのうえで、重要なポイントとして、以下の3点を提示されておいでです。
1) 首長のリーダーシップ
2) 民間企業のコミットメント
3) 仲介者となる人材・組織の存在
福岡市は、高島宗一郎市長のリーダーシップ、九州経済連合会のコミットメント、そして、石丸先生が事務局長をされておいでの「福岡地域戦略推進協議会(FDC)」が一体となって進んでいることで、このポイントが揃っているということですね。
地方都市の発展にご興味のある方は、ぜひ石丸先生の以下の書籍をご覧ください。
▼超成長都市「福岡」の秘密の紹介ページ(日本経済新聞出版社)
▼石丸修平先生のFacebookページ
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