少し前の記事なのですが、ジャズ・ピアニスト森田真奈美インタビュー「ありのままの演奏を提供することで伝わるもの」の中に、以下のような記述があります。少し長いのですが、引用させていただきます。
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クラシックの場合は、とにかく「間違えないで弾く」ということが大前提じゃないですか。私がクラシックを弾くと、間違えた瞬間に「ああ、もうダメだ……」ってなっちゃう。けれど、ジャズの場合は違うんですよ。間違えたところからが真剣勝負。ミスタッチをしたり、いつもと違うことをしてしまって、「あ、やっちゃった!」と思っても、逆にそれをアイディアにして、次の展開へとつなげていくんです。間違いをカバーするどころか強調して、「これはわざと、やりたくてやったんだよ、ふふ~ん」みたいなムードを出したり。うまいこと意味ありげに弾くわけです。ジャズの人は、そういうことが得意ですね。
(引用:e-onkyo music, http://www.e-onkyo.com/news/495/,
ジャズ・ピアニスト森田真奈美インタビュー, 2016/07/08)
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プログラムやプロジェクトを進めていくうえで、絶対に正解のプロセスはないと考えております。確かに計画をしっかり立てて、計画通りに進めるのはとても大事なのですが、少し間違ってしまうこともあって、その時にやばいとなってしまうと、どんどん深みに入っていって、どうしようもない状態になってしまうということがあります。ミスをカバーしようと手を打つとそれがまたミスにつながる。そんな時に間違いを間違いなんだけど、意味のある間違いにできるとよいですね。間違いなんだけど、こう考えると新しいことが生まれる可能性があるよねと考えられると、カバーするより良い結果が生まれそうです。
強力接着剤を作ろうとして、はがれやすい接着剤ができてしまった時の「3Mポストイット」や水を入れるつもりで炭酸水を入れてしまったら、おいしかった「コカ・コーラ」など、失敗した時に、これはダメだと考えずに何か良いことが生まれる前兆なんじゃないかと考えることができる心の余裕がある。さらにどんなことでも何かを生み出していく機会なんだと考えているかどうかが大事なのかもしれませんね。
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