PM実践研修 ~プロジェクトの目的と目標  (2018.08.10-11)

 2日間で実施しているプロジェクトマネジメント実践研修を責任者の方を対象に実施させていただきました。
  この研修は、受講者の方が実際に経験されたプロジェクト事例を持ち寄っていただき、プロジェクトのプロセスに沿って、順にプロジェクトの目的・目標、ステークホルダー、リスク、スコープ、スケジュール、コスト、チーム作り、コミュニケーションのそれぞれの演習とまとめの演習を行っていただきます。過去のプロジェクトを振り返りながら、今後のプロジェクトでどのように進めていくべきかを考え、議論していただきます。
 最初の演習である持ち寄っていただいたプロジェクト事例の成功と失敗を検討いただきますが、今回は、その中でプロジェクトの目的・目標についてまとめてみます。
 この演習では、成功した事例と失敗した事例を持ち寄っていただき、アイスブレークとともにグループで皆さんの事例を共有いただきます。共有いただいた中から、グループで一つの事例を選択いただき、プロジェクトの目的と目標を再検討します。
 ここで意識していただきたいのは、プロジェクトは組織のビジネスニーズに基づいて立ち上げられて、実行されるということです。演習でプロジェクトの目的と目標を検討いただくと、QCDを守って成果を出すことが、出てきます。以下の図にもありますように一般的にプロジェクトの目標は、決められたQCDのバランスをとって、最終成果物を出すことです。 

 しかし、目標の前にプロジェクトには目的があり、組織のビジネスニーズに基づいて実施されるはずです。新しいプロダクトを生み出したい、新規事業を立ち上げたい、新しい顧客を獲得するために顧客の要求に答えたいといった組織のビジネスニーズを達成することが重要です。PMBOK®第6版でもこの点がより強化されています。
 プロジェクトの検討をするとこの点が抜けてしまうことが多くあります。目の前のプロジェクトを何とかすることに重点が注がれて、何のためにこのプロジェクトをやっているのかが忘れ去られてしまうことがあります。新規顧客との関係性を作るために取り組んだプロジェクトだったが、何しろ大変なプロジェクトなので、何とかしてやり遂げなくてはとなんとか作り上げたシステムが、顧客のためにはあまり役に立たなかったので、ほとんど使われなかったり、リプレースされてしまったりする。組織の目的が達成できず、プロジェクトマネジャーやメンバーは、何のために苦労したのかわからなくなります。
 プロジェクトの立ち上げの段階で、プロジェクトマネジャーやメンバーが組織のビジネスニーズとプロジェクトの目的と目標をしっかりと認識して、ぶれないプロジェクトの遂行ができるようにしたいものです。  



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