毎年恒例の新春セミナーですが、今年の大会テーマは『多彩な未来を切り拓く』でした。
▼PMAJ新春セミナー『多彩な未来を切り拓く』
名古屋商科大学大学院の澤谷教授による基調講演は「サービスイノベーションとは何か」で、さまざまに語られている内容を整理してお話をいただき、ご自身の出身のIBMの事例やヤマハモーター、SAPなどの事例も交えて、わかりやすい内容でした。
サービスイノベーションの一つのポイントとして、「個別にサービスを提供するのではなく、顧客のサービスをデザインしてみる」という点は、いくつかの新規事業づくり研修の中でも実践させていただいているのですが、なかなか簡単ではありません。サービスをデザインしてみて、現場観察(エスノグラフィー)を行いながら、お客様と共にサービスの価値を作り上げていくプロセスは、とても重要だと思うのですが、やってみるととても大変です。本当の意味で価値を創出できたのか、未来志向の創造デザインができたのか、システム思考で全体最適が実現できたのか、色々と悩むことが多いです。とはいえ、デザイン思考は、「Fail fast!」が大事ということなので、あきらめずに考え、行動し続けるということなのかもしれませんね。
続いて、大阪ガス㈱ エネルギー・文化研究所の鈴木 隆氏から、『PMに役立つ「実践マーケティング」のすすめ』~誤った常識と古い理論の「呪縛」を解く~というタイトルで、マーケティングのお話がありました。19プラス1の呪縛についてお話しくださいました。こちらは、「御社の商品が売れない本当の理由」という鈴木さんの著書に基づいてのお話でしたので、この本を読んでいただくとよいのかもしれません。
三番目は、量子科学技術研究開発機構 ITERプロジェクトの部長である杉本 誠氏から『 地上に作る小さな太陽 』~実験炉イーターの建設プロジェクト~というタイトルで、核融合炉建設プロジェクト(プログラムかな)のご紹介がありました。核融合についてのご紹介の後、ITERプロジェクトで建設が進んでいる南フランスのITERサイトのご紹介とこの組織への参画が可能だというご紹介がありました。未来を見据えたプロジェクトへのご興味がある方は、以下のサイトのITER職員公募情報を参考ください。
▼ITER職員公募情報
最後のご講演は、佐賀県庁の円城寺 雄介氏による『 最新技術で変える!近未来の救急医療と社会 』~救急ICT、ドクターヘリ、ドローン、宇宙への挑戦~ でした。このタイトルに限らず、佐賀県庁の職員という立場でありながら、被災した熊本県西原村の避難所の支援活動や佐賀電影忍者プロジェクト、救急医療現場に飛び込んでみた活動など枠を飛び越えた活動をされてきた内容のあるお話をいただきました。「世の中は私たちに優しい世界ではない」反対されたり、抵抗されたりの連続であり、容易には変わらない。目的を明確でシンプルにして共有し、まずは小さくてもいいから始めてみる。自ら動かないとイノベーションは始まらないとの思いで、一つ一つ実行されてこられたことが伝わる講演でした。
今回から、パソコンの活用が許されましたので、資料を読むのもメモを取るのも楽になりました。事前配布された資料の確認できるのはとてもありがたいです。今回は特に一部の講演で図がプロジェクタに表示されない不具合がありましたので、手元の資料で確認できたのは幸いでした。キーボードの音が出るとうるさいかなと思い、パソコンを画面だけ切り離して、タブレットの形で使用しました。意外にペン入力も画面キーボードでの入力もスムーズにできました。資料もその場で整理できるので、大変ありがたかったです。これからもこの形で運営してくださるとありがたいなと感じました。
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