ボーダレス・ジャパンの田口社長が、カンブリア宮殿に出演されたということで、田口社長と鈴木副社長を囲むトークライブがオンラインで開催されました。1000人を超える方の申し込みがあったということで、どんなことになるのか不安もありましたが、とても良いイベントでした。
10分ほど前に案内のURLに入りましたところ、ちょうどスタッフの皆さんが入られたところで、スタッフの皆さんの準備の会話を聞くことができました。最初は聴講者が入れることをスタッフの皆さんが認識されておいででなかったようで、準備の会話を楽しむことができました。本来はイベント開始をしないと聴講者は入れるはずがないのに今回は入れてしまったということで、ボーダレス・ジャパンの皆さんのフラットな会話を聞かせていただきました。後程の田口社長のお話にも出てまいりましたが、皆が仲間であるという雰囲気がとてもよく出ていました。
• どのように創業者は知り合ったのか?
– 田口社長と鈴木副社長はミスミの入社面接で知り合ったとのこと。創業時には、ミスミ出身の方が多かったとのことでした。
• ボーダレス・ジャパンの歴史
– 会社の変遷の話の中で、倒産の危機の話が出ておりました。創業時は国際交流シェアハウスを立ち上げたが、資金が足りずに立ち上がらない危機があったり、何度かの危機の中で、社員に給与を払うことができない状態(会社の通帳が二桁になったこともあったとのこと)になったりしたこともあったとのことでした。空いた時間にはコンビニで働いたり、ビラ配りのバイトをして会社の資金にしたりしたとのことです。
– そんな中でも、社員が残ったのはなぜ?という質問には、いや去っていった人もいたし、辛い思いもあったが、仲間と一緒にやっているという意識で進めてきたとのことでした。
– ピンチになった時どうするの?という質問には、ピンチを楽しむこと、「お、来たか」と思うこと。そして我々の事業目的である「社会問題を事業で解決すること」を常に意識することであるとのことでした。
• 経営者の壁は?
– 誰にも相談できないこと、一人でしっかりやるから人は一緒にやってくれる
– 規模が大きくなってきたときにマネジメントがうまくできないこと
– リーダであり、マネジャーであることをきちんと分けるっことが難しいこと
– 自分が何でもできると思ってしまうこと。自分はできないことをきちんと認識すること
• 事業の評価は?
– 売上と利益に加えて、ソーシャルインパクトで評価すること
– それも、一番はソーシャルインパクトであること。現在設立したすべての会社で、ソーシャルインパクトが指標として明示されているということで、webページを拝見しましたが、各社とも最初にどのようなソーシャルインパクトを目指すのかを明示してありました。ちなみに先日レポートしました「ローカルフードサイクリング社」のソーシャルインパクトは、「コンポストで個人起点の持続可能な食循環をつくる」です。
• カンパニー制からグループ会社制へ
– 当初は田口さんが立ち上げて、メンバーに渡していく形でやっていたが、このペースでは、年間100社を立ち上げるペースにはならないので、社会を変えられない。やりたい人にどんどん事業を立ち上げてもらうには、一つ一つを独立した会社にしたほうが良いと考えたとのことです。
– また、グループ会社制にすることで、各会社の社長は自分の上に人がいない状況が作れる。このことが事業を立ち上げるには大事とのことでした。
– そこで、現在ボーダレス・ジャパンは出資会社となり、出資する会社の判断は、全社長の合議制で決めておいでとのことです。
– さらに立上げのスピードを上げるために「ボーダレスアカデミー」を設立して、起業メソッドを田口社長自ら伝授してくださるとのこと。参加費用は取るが、修了から3か月以内に起業したら、全額返金し、出資もしてくれるとのことです。ソーシャルインパクトを目指している組織であることの面目躍如ですね。
ちなみに今、田口社長が一番注力しているのは、「ハチドリ電力」という非化石証書(再エネ指定)を調達することで、「CO2排出係数ゼロ」エネルギーを供給するビジネスで、この事業だけは社長自ら動かしておいでとのことです。ここから電力を購入することで、
毎月支払う利用料金の1%がNPOなどの活動支援に提供される仕組みを実現しておいでです。
(「非化石証書」とは:新しい市場である「非化石価値取引市場」で取引される「証書」のこと。「非化石価値」は、電気の持つ「環境価値」の一種で、「非化石電源からつくられた電気である」という価値です。この市場では、非化石価値は「証書」の形で見える化され、取引が可能になります。非化石証書の取引は、まずはFIT電気の非化石証書からスタートします。 出典:経済産業省資源エネルギー庁)
弊社も社会貢献を会社のミッションといたしております。弊社は人材育成で社会に貢献する事業ですので、ボーダレス・ジャパンのように直接的な社会貢献になかなか結び付かない面もあります。しかし、事業価値を生み出すには、基盤となる人材が必要であり、長期的にはこの部分が最も重要であると認識いたしております。引き続き、社会に役立つ価値を提供してまいりたいと存じます。
▼ボーダレス・ジャパンのwebページ
▼ハチドリ電力とは
0コメント