地下鉄の自動改札機に非接触ICカードを叩き付ける人 (2018.03.17)

 地下鉄やJRの自動改札で、SuicaやPASMOを自動改札機に叩き付けて、通過していく人がいます。思わず「痛い」と感じてしまいます。非接触ICカードの規格を国際標準の検討が行われているときに関わっていたので、自分が叩かれているような気持ちになります。

 非接触ICカードは、パッシブ型(※1)ですので、そっと近づけて電磁誘導で、起電させて、微弱電波で乗車駅や金額の情報を通信する必要があります。乱暴にしかも急速に移動させるとシステム上はとても難しい状況になります。でも問題なく取れているようなので、今のシステムはすごいなと思いますが、できればそっと置いてしばらく動かさずにいてあげると通信も行いやすいし、機器も壊れにくいのにと思ってしまいます。

 非接触ICカードと自動改札機とのコミュニケーションは、微弱電波で優しく行うのが良いのですが、人間同士のコミュニケーションも優しく、小さな声で行ったほうが、良いのではないかと思うことが多いです。もちろんずっと小声だと聞こえにくいよということになりますが、大声でパワーがありすぎるとうるさいよという感じがします。講演や会議の時に大声で話し続ける人の話はとても聞く気になりません。言葉で叩かれているような気がします。

 普通に話していて、時に大きく、時に小さく、抑揚が大事だと感じます。特に小さく話される時に「胸に沁みる、心を揺さぶる言葉」を感じます。私も講師をやっていますので、ついつい大声を出し続けていないか気を付けたいと思っています。

※1)カードリーダ本体(この場合は自動改札機)にタグ(非接触ICカードに組み込まれているID情報が埋め込まれたICタグ)を近づけると、電磁誘導やマイクロ波を用いて電源が供給される仕組み

▼交通系ICカードの仕組みの解説ページ

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